2009-10-01

秋冷のダイアナ


数日前に膨らんでいた蕾が開いたばかりのダイアナ。
花弁に残る折り皺が愛くるしい。
柔らかなクリーム象牙色の肌はなぞるのも憚られるようで、
ほんのり刹那的な薄桃鮭色の頬紅が愛おしさを瞬間的に爆発させ、
在りし日の妃の愁いを含んだような瞳を思い起こさせます。

このバラを見る時はどういう訳か曇天か雨空が多い。
秋の長波長光をたっぷりと浴びた花の姿が殆ど記憶にありません。

三脚を押し入れの中から出すのがメンチくった楽の
めちゃ手ぶれ写真です。ごめんちゃい。


*****
故ダイアナ元英国皇太子妃の称号"Princess of Wales"を冠するバラは2品種あります。一つは故ダイアナ妃の生前に捧げられたハークネス社のふくよかな姿の美しい白バラです。系統はフロリバンダ。1997年作出。
※プリンセスオブウェールズ(HR白Fl)国産苗大苗6号鉢植品★※1月末までにお届けの...

もうひとつが、画像のバラです。系統はハイブリッドティー。大輪の美麗花を咲かせますが、花数はそれほど多くありません。楽趣味は、それはそれで良いと思います。一輪ごとの、一輪だけの美しさがいかにも故ダイアナ妃生前の姿を彷彿とさせるからです。そして、その一輪の中に「イギリスの薔薇」と称されたダイアナの魂が凝縮されているような、そんな気がするからです。

フロリバンダの『プリンセスオブウェールズ』が明るい陽光の中で輝くダイアナの弾けるばかりの笑顔によく似合うバラだとすれば、ハイブリッドティーの『ダイアナプリンセスオブウェールズ』は、憂える心を包み隠さず全身全霊を込めて表し脳波から指先足先へと伝え動かした故ダイアナ妃の揺れる眼差しそのものを具現化したバラではないかと一人思いを深めます。

***
未だに感傷的な気持ちを抱きつつ
このバラを眺めてしまいます。
ただ立ちすくみ、
立ちすくみ、
気品ある香りに包まれて
ただ立ちすくみ、
立ちすくみ、
そして、どうしても一涙。


これほどまでに、捧げられた人物像と花姿がぴったりと重なるバラは少ないのではないかと勝手に思っています。儚げな佇まいの中にも芯の強さをきりっと滲ませて、深まりゆく秋の中で輝いて欲しい。ダイアナの心を未来に伝える語り部として。〔2枚目の画像は2007年春の姿です〕

※ダイアナプリンセスオブウェールズ(HT複桃)国産苗大苗6号鉢植品★※1月末までに...

0 件のコメント:

コメントを投稿