先週から各地で被害をもたらしている西日本の豪雨。ニュースに触れる度繰り返す親類の安否確認。
「異常気象」・・・季節の変わり目に最近よく耳にし目にする言葉。これまでも人類が経験しては来ているのだろうが、これまでと同じように単に自然の為すことと捉えているだけでよいのだろうか?我々が生きる地球環境は急速に、或いは我々が気付かない所で徐々にではあるが確実に変化しつつあるかも知れないのに..?
そんなことを常に頭の隅に置きつつ日常の営みを続けて行かなくては。そして、一人ちっぽけな存在であるけれど、ちっぽけなりに「これ以上悪くしない」方向をめざして出来ることを出来る限りやって行かなくては。
「ゴマメの歯ぎしり大海をも揺るがす」そんなゴマメの一つで在り続けねば。
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【灰色カビ病 Botrytis blight】
咲柄にびっしり灰色っぽいカビが生える。開花期に長雨が続き冷涼で多湿の時に発生する。
〔病原菌〕
Botrytis cinerea Person
糸状菌の一種で不完全菌類。宿主範囲がきわめて広い。分生子や菌核を形成するほか、腐生的に枯死植物や落葉などの有機物上でも生存。
バラでは枯死枝や腐敗花弁状の菌糸や菌核で越冬し伝染源となる。バラ以外の植物も伝染源になる。気温15℃前後で多湿が続くと分生子を生じ伝染する。分生子は空気感染。軟弱な花弁組織では感染するが、成熟した葉や茎は傷がない限り感染しにくい。
開花期や蕾期に多雨多湿で冷涼な日が続くと発生の恐れあり。
花でははじめ花弁に水浸状の斑点。斑点は褐変し拡大して軟化腐敗。表面は灰褐色のカビ(菌糸と分生子柄と分生子からなる)で覆われ、後に花全体が腐敗、その表面に灰褐色のカビが密生。腐敗した花弁が若い葉の上に落下したり、葉に触れたりすると葉も侵される。蕾も、花梗も同じ。
〔注意点〕
開花期に花や蕾に生じる斑点性の変色や退色班に注意。
〔防除と対処〕
通風と換気。圃場衛生。発病した部位は切除。花や咲柄は早めに整理する。
カビの付着した恐れのある道具は洗浄後拭き取ってから使用すること。
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〔参考文献:長井雄治著『バラの病気と害虫』(農文協, 2005)〕
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薔薇の名前:『セントオルバン』St. Alban(S)〔D. Austin, 2003〕
画像は昨年のセントオルバン。二番花の蕾が上がってきた頃雨が続き、花は灰色カビ病に侵されてしまってボロボロ状態だった。昨冬、半軒下に移動させたら、今年は病気なし。D. Austinの『イングリッシュローズ図鑑』にも、この品種は葉の耐病性は高いが「雨がちな天候には強くなく、花が開花しない場合もある」と書かれている。確かに!その通りです。
セントオルバン (高ER黄) 国産苗大苗6号鉢植品
イングリッシュローズ図鑑
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