2010-03-05

study room-キャンカー(1)-

ずっと前から気になっていた。

何でって?

自分ちの庭に「あった」バラに同様の症状が見られたから。




「あった」と過去形で書いているということは、そうです、枯死させてしまったバラだからです。そして、ずっと気になっていた症状が、つい最近他のバラに見られたという記憶が蘇って来たからです。

今月初め、RER:ダブルクライシス!!でイングリッドバーグマンが重篤な状態に陥っていたことを告りました^^;
その時自分で無意識のうちに書いていたのは、どこかに不可解かつ不穏な何ものかを感じ取っていたからかも知れません。
以下、その時の文章:
よくよく見ると、クラウン部分に2本あった枝の1本が株元にかけて茶褐色になりつつある。何だかいや~な予感。昨年の3月RPRの大苗がこのような状態になって・・・介抱の甲斐もなく6月頃には結局☆になってしまったのだった..。

昨年の3月頃撮影した画像を掘り起こしてみましたが、当該バラ苗(RPR:ルージュピエールドゥロンサール)の患部写真は撮っていなかったようです←ダメじゃん^^





何が問題かというと、ずばり!タイトル通り「キャンカー」。
ずっとずっと気になっていて、何度か調べたけれど、よく分からなくて途中で挫折しまっていたバラの症状。
当ブログのカテゴリラベルを「バラの病気」とせずに「バラの病症」としているのは、「キャンカーって病気なのか?病気ならば、その主因は何なのか」が正直よく分かっていないから(未だに分かりませんが)。


・・・というわけで(あいよっ!毎度のことですまぬ)
自分なりに少しずつ解きほぐしていこうと努力してます。
ってんで、以下、調べ中の覚え書きです。
「こりゃ間違っとるやんけ~!!」ってことがあったら
ご教示下さいましまシエスタ~m__m





【そもそもキャンカーって何さ?】

◇まず、英語の辞書をひいてみました。
(Weblio英和・和英辞典の検索結果はコチラ)
キャンカーcankerと綴ります。植物病理学用語としては「胴枯れ病」だったり「癌腫病」と書いてあったりで、(@_@?の状態。
病理学的には「口腔潰瘍」や「鵞口瘡」、獣医学的には「馬蹄瘍蒼」だそうで、何だか難しげ。でも、まあ、口内炎が出来た時の潰瘍部分って想像すればええかな、と。

◇次に語源を遡ってみました。
canker(En) < cancer(L) < karkinos(Gk) < karkata(Skt)

英語のキャンカーはラテン語のキャンカー「蟹」由来、
それはギリシャ語のカルキノス「蟹」由来、
それはサンスクリト語のカルカタ「蟹」由来。
(手元に梵英辞典がないので梵語まで遡及調査不可アルよw)
悪性腫瘍がキャンサーcancerと言われるのは、腫瘍付近の静脈の腫れ方が蟹の足に似ていたからとか。


《「キャンカーって何さ?」まとめ》

言葉としてだけなら、キャンカーって腫瘍のことを指すみたい。
癌腫ってことなら、バラの病気としては「根頭癌腫(クラウンゴールCrown gall)」ってのがあるから、それとは別物というより、腫瘍そのものを表す言葉のようです。従って、特定の病原菌を主要因として引き起こされる病気の呼称ではないということになりはしないか???





◇次にWikipediaを眺めてみました→canker
日本語版で「キャンカー」はヒットしなかったので英語版^^;
あ~~!待って~~っ!!英語だからって閉じないで~~!!
Canker and anthracnose are general terms for a large number of different plant diseases, characterised by broadly similar symptoms including the appearance of small areas of dead tissue, which grow slowly, often over a period of years.Some are of only minor consequence, but others are ultimately lethal, and of major economic importance in agriculture and horticulture. Different cankers and anthracnoses are caused by a wide range of organisms, including fungi, bacteria, mycoplasmas and viruses. The majority of canker-causing organisms are tied obligately to a single host species or genus, but a few will attack a wider range of plants. Canker can be spread by weather and animals, making an area that even has a slight amount of canker hazardous.
Some cankers are treatable with fungicides or bactericides, but many are not; often the only treatment available is to destroy the infected plant to prevent the disease from spreading to other plants.

・anthracnose:炭疽病
・fungus:真菌類
・mycoplasmas:細胞壁のない真正細菌
・bacterias:分裂菌類の細菌

植物によって様相は異なるみたいだけど、植物生体一部の組織が壊死/枯死し、徐々に全体へと広がりかねない症状のようですね。
キャンカーを引き起こす主因となるのは、上記に挙げた菌類。
多くは宿主特異性があるようだけど、宿主となる植物生体を特定せずに感染拡大して甚大な被害をもたらす場合もあるとか。気象条件や動物の移動によって感染が広がることもあるとか。
殺菌剤で症状を抑制できる少ない事例を除き、多くの場合キャンカー/炭疽病にかかった植物体を処分して感染を抑えるのが唯一の有効手段とも書いてある。




何だか怖ろしい病気の総称のようですねぇ・・・。
んでも、キャンカーが特定の病原菌によって引き起こされる限定的な病気をさす言葉ではないってことは読み取れたのではないかと思うわてがチャンドラダス。

♪ふん・ふん・ふん・鹿のふ~ん♪

な~んだ、それならバラの病気でキャンカーってのはないんだ!

♪ふん・ふん・ふん・馬のふ~ん♪

ん?そんな鼻歌まじりの単純なものかい?

Wikipediaの同じページに記載されていた2行を読んでみた。
Rose cankers, caused by the fungus Leptosphaeria coniothyrium and Cryptosporella umbrina
※太文字&イタリックにしたのは楽趣味です。

にゃにゃ?!
にゃにやら難しげなラテン語が。。。

まずは2つの病原体と思われる単語のうち、
Leptosphaeria coniothyriumについて。
楽の軟弱脳に段々とちかり(疲れ)が溜まってきた・・・
( ̄△ ̄;;ぜぇぜぇ


《Leptosphaeria coniothyrium:植物の病原体?》

leptosphaeria←楽の羅英辞典には載ってません。
bloomさんの辞書には載ってますか?(他力本願^^)
取りあえず単語を分解
・lepto:小さい、細かい
・sp(h)aerae→spira? 螺旋?

leptospiraって英語だったら好気性レプトスピラ属ラセン菌。
・・・ってスピロヘータのこととちゃうの?

う~ん、よく分かりま千円けど、違うっぽい。
というわけで・・・・・おしまい・・・



じゃなくて、ラテン語で検索かけてみました。
そ・し・た・ら・・・

NIAS Genebank「農業生物資源ジーンバンク」
っていうところでhitしたのが以下の内容。

病害の詳細
宿主 バラ(薔薇)類
病名 枝枯病
病名読み edagare-byo
病名英名 Stem canker
病原 Diapleella coniothyrium (Fuckel) Barr
病原異名 Leptosphaeria coniothyrium (Fuckel) Saccardo
Coniothyrium fuckelii Saccardo
文献 安部卓爾:病虫雑 21(1):52, 1934(昭9)
白井光大郎:植物病理学(下):238, 1884(明27)
勝本 謙:植物病原菌類図説(小林亨夫ら編):579, 1992

うぉっ!こり、こり!こり田楽!
まさにステムキャンカー!枝枯病やん!

書いてあるやん!(--)

んでも、具体的にはどんな症状でどんな風に感染するのか、
な~んてことは上のページでは分かりませんから~~^^;
ちゃいなら~♪ぱれぴ~れぽ・ぱれぴれぽら~♪
・・・それを言うならチャルメラやろっ!

まぢめに調べんかい!


m(_ _)m あい・・・仰せの通りに・・・
反省隊\(_ _*)m(_ _)m(*_ _)/参上


***

☆coffee break☆

あ・そうだ!
反省で思い出した。
どこかのガッコにやって来た外国人TAの話。
ぷぷぷ・・・反省猿がCFで何度も登場していた頃で、
ガッコの生徒がそのTAに「日本人の礼儀正しい挨拶の仕方」
とか何とか言って反省猿のポーズを教えたんだそうな。
その後母国に帰ったTAから手紙がガッコに届いたそうな。
「皆に教えて貰った挨拶の仕方を母国のガッコで生徒に教えました」
と書いてあったそうな。
そして、その手紙に同封してあったのは・・・
クラスの生徒全員机に片手を付いて俯く反省ポーズの写真が・・・

嘘か真か、その写真見たわけじゃないからわかりま洗濯(^^)

***


話戻って・・・

んでもさ、上記参照文献を読めってかぁ~~っ?!
明治時代に出版された文献だよ。

けど、でも、それが1992年の文献と並べてあるって事は、
白井光大郎さんの業績を凌駕するものがないって事かも。
ってんで、白井光大郎さんの名前の読みも含めて調べてたら
枝枯(エダガレパ)病〔独法)NIFS花き研究所〕
ってのがスンナリ見つかったっす^^

枝枯病 ( エダガレパビョウ )
Stem canker ( 糸状菌 )
植物名 : バラ バラ科 Rosa spp.
病原菌 : Coniothyrium fuckelii
病徴 茎に主に発生する。病斑のまわりは盛り上がり、赤紫色~黒褐色に縁取られた、ややくぼんだ褐色の病斑が広がる。病斑部には黒いぶつぶつ(分生子殻)が認められる。茎を病斑が取り巻くと、病斑の上部は枯死する。
発生時期 周年
発生場所 施設
防除法 侵された枯れ枝は切り取る。剪定を行い、通風を図り、株元まで光が入るようにする。

NIFSの該当ページに掲載されている3枚の画像の内、
最後(左下)の枝画像は・・・
トゲの付き方から見て、上下逆さまじゃないのかなぁ?^^
何だか引っ繰り返してみたくなる、奇妙な感じです(^^;


☆=========☆=========☆=========☆

さてと、次の《Cryptosporella umbrina》にいってみよ!
と思いましたが、
長い! もう脳が疲れてギシギシ音を立てている。
だから、続きは明日にすることにしました。

というわけで、次回study room予告(^^)
クリプトスポレッラ ウンブリーナってのは、
以前chibeちゃんがRosalindの何かの記事にくれたコメントで
教えてくれたバラ特有の病気の病原体のことです。

ふぇえええ~~~。
長くなって、もう真夜中になっちゃったよ~~(--;

それでは、次回をお楽しみに(^^)

おやすみなさ~~い♪



【お詫び】

明日後半をUPするつもりでしたが、
調べていたら出てくるわ出てくるわ・・・
収拾がついていませんのが現状のことあるですw


まだ、楽の軟弱脳細胞が修復されていないことも相俟って
もそっとお時間を下さいませ~(ー人ー)

整理ができ次第UPしまっす。



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2 件のコメント:

  1. 枝枯病 ( エダガレパビョウ )の『パ』の意味を考えていたら眠くなりますた(v。v;)

    いつも勉強になります。
    ここまで掘り下げて考える楽趣味さん素敵♪

    明日の記事も膝を正して読ませてもらいまふ<(_ _)>

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  2. ぬはは(^0^)良いところに気が付きましたねぇ~~>ロサネコさん Namaste/^^
    なして「パ」が付いているのか、その「パ」は何を意味しているのか・・・漢字に置き換えるとしたら何なのか・・・

    続き・・・ひちこらめんどり&ワケワカメっす...(-ー:

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