2009-10-17

悲劇の育種家-Pedro Dot-

燦々と輝く太陽浴びておおらかに蔓を伸ばし、
ドレスの裾を見せびらかすようにはためかせて
踊るように歌うように咲く『スパニッシュビューティ』
画像は神代植物公園春の花です。
こんな風にスペイン美女をフェンスに咲かせたいっ!

同じく神代植物園のフェンス下方のスパニッシュビューティ。
花色が素晴らしく、蕾も素晴らしいですね♪
惜しむらくは一季咲なこと。返り咲くって聞いたことないっす。


***
薔薇の名前:『スパニッシュビューティ』(Cl)〔P.Dot, 1927〕
てんちょんちHPによると、
別名:【La Belle Espagnole、Madame Grégoire Staechelin】
#スペイン語はちおん分かりませんが、「ラ ベル エスパニョール」→「ラベレスパニョール」?と「マダム グレゴワール ステシュラン」?
交配親:Frau Karl Druschki × Château de Clos Vougeot

はい、はい、はい、はい!
楽趣味憬れのバラでありHP(Hybrid Perpetual)系統の名花『フラウカールドルシュキ』さんが母ちゃん。父ちゃんは、これまた楽趣味が「ね~んでるたーる人(バラを育てるスペースと経済的余裕がないバラ人類の呼称)」でなければ、喉から手が出る程お側に侍らせて貰いたい^^『シャトードクロヴィージョ』(HT)さんで諏訪湖の間欠泉。
母ちゃんはドイツ出身で、父ちゃんはフランス出身。
共に優秀な交配親としても有名な名花(名家^^?)なんですわ。
母ちゃんからは花つきの良さとしなやかな蔓の伸びを受け継ぎ、それに加えて父ちゃんからは魅惑的なフリフリのラッフルという遺伝的形質をも受け継いだんでしょうな。
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ワゴンセールで出てたのね。
もうないけど...(--;;


***

作出者のペドロドットは、スペインの育種家です。
ドットが作出したバラについて調べていたら(それについてはココ)、アメリカ合衆国「ロードアイランドローズソサイアティ」Rhode Island Rose SocietyのHPを見つけた。このRIRSではメンバーによる写真コンテストを行っていて、2009年のグランプリ受賞した作品のバラは「ハマナシ」でしたわ^^ このRIRSって色んな活動をしていて面白そうですわぃ。

また、話がそれちゃった。
ドット作出のバラと言えば、『スパニッシュビューティ』が非常に有名だけど、『ラジオ』ってバラもドットの作品なのよ。どんなバラって?
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きゃあ!複色で絞りときたもんだ!!
めっちゃ素敵なバラやん!と心から思うです。えぇ。えぇ。
ドットさんがこのバラを作った頃はラジオの電波が入りにくかったんでしょうかね?(^^; 
初期の作出はHTに特化されていたみたいです。20世紀中頃に当時世界最小のバラを作出したりしてミニチュアローズに傾倒した時期もあったようで。天才肌だと名にしおうブリーダーのようです。育種して世に出せるバラも多く抱えていたと..。
『スパニッシュビューティ』や『ラジオ』といった素敵な育種バラから、天才育種家の一人ということは伝わってくる。けれど、ドットが作出したバラがさほど多く知られていないのはなぜ?
極めて残念なことに、時代の波に巻かれ流されてしまったのです。
スペイン内戦〔確かドキュメンタリー映画があったかと。"La Revolution de Espana"とかって・・・〕の戦火はドットの圃場にも及び、作出した沢山のバラを喪失してしまったと。。。
胸が痛くなるような話です。
私だったらどうにかなっちゃうかも..。

スペイン内戦(上)


スペインという温暖な気候に合う強健なバラ作りを目指していたドット。
スペインという日射し輝く風土に似合うバラ作りを模索していたドット。
バラ育種界では他のヨーロッパ諸国に比べ経済面や環境面で困難な状況下にあったスペインの地で、時代の趨勢を読みつつ優れた品種を育種しながらも、なかなか日の目を見なかったドット。
どんな作品が戦火にのみ込まれ失われてしまったのだろう..。
そんな問いかけさえ憚られるような感覚に囚われてしまいます。


***

楽庭にスペイン美人がやって来たのは2008年11月。
とても新苗とは思えない新苗でいらっしゃいました。
もちろん、てんちょんちからでっす♪
つい数ヶ月前まで大苗と信じて疑っていませんでした^^
花色が今ひとつだけど、半日陰の未就学児童だから仕方ないかな、
と思うちょります。(^^)

2009年4月には株全体がウドンコ病に罹り、ちょっと大変だった。
#その時の処理の仕方についてはココ
でも、一度セスキ炭酸ナトリウムの希釈液でフキフキしたっきり、
その後は全くウドンコ病の症状は出ていません。
耐病性の高そうな厚めで美しい深緑色の葉です。
蔓を長く伸ばしているので、今から冬の誘引作業が楽しみです。

フリフリおおらかに咲いたらフラメンコ踊っちゃおうかなぁ♪

♪おんどぁられーお、あれーお♪
♪おんどぁられーお、あれーお♪
♪らっせまらいざーにゃ♪

う~ん、このフラメンコ歌謡、なんて曲だったっけ・・・?



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