Rosalind Infinita: バラの家物語32 -宿命を越えて-

2009-09-08

バラの家物語32 -宿命を越えて-

薔薇の名前：『アブラハムダービィ』(S)〔D．Austin, 1985〕
2007年にがん腫が見つかり、切除。2008年冬再発切除。この時はじめてバイネキトンを術後塗布。今年休眠期間にもう一度確認要す。アプリコットピンク～オレンジの複雑な色の混じり合いと花姿、フルーティな清々しい香り、しっとりとした感触の花弁クオリティの高さ、どれをとっても素晴らしいERだと思います。秋に咲いてくれるかなぁ...

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宿命とは･･･前世から定まっており、人間の力では避けることも変えることもできない運命、とか。

バラにとって根頭がん腫（この病気の概要については〈ココ〉をクリック）という病気は宿命か？
そうとも言えるかも知れない･･･。
でも、
「そうではなく、避けたり変えたりすることができるのでは？経験知によってどうにかすることができるのでは？」、「何とかしたい、何とかしよう」と考える人がいる。

1）-バラと暮らす日々-｢がん腫って…｣(090825)
2）-同上-｢つるピンクスタリナっていいねぇ～♪｣(090102)

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以下若干長いが興味深いのでWikipediaの記事引用

"A. tumefaciens"は多くの双子葉植物および一部の裸子植物・単子葉植物に虫こぶ様の腫瘍（根元などに生じ、根頭癌腫、クラウンゴール crown gall と呼ばれる）を起こす。この菌はTiプラスミド（pTi）と呼ばれる巨大なプラスミドを有しており、その一部であるT-DNA（transfer DNAの意）と呼ばれるDNA断片を植物細胞に注入し、T-DNAは相同組換えにより植物細胞のゲノム（挿入位置はかなりランダム）に挿入される。T-DNAは植物ホルモン（オーキシンとサイトカイニン）★を生成する酵素の遺伝子を含み、これによって腫瘍（“A. tumefaciens”に特有）が形成される。またT-DNAはオパインOpineと総称される特殊なアミノ酸（アグロバクテリウムはエネルギー源として代謝できるが、他の細菌はほとんど利用できない）を植物に作らせる酵素をコードしている（Zupan et al., 2000）。根粒菌などの窒素固定細菌とは異なり“A. tumefaciens”は寄生細菌であって、植物にとって利益はない（Moore et al., 1997）。この“A. tumefaciens”の性質は＜植物に対する遺伝的植民地化＞ともたとえられる。

要するに、根頭癌腫の病原菌「アグロバクテリウムツメファキエンス」Agrobacterium tumefaciensは自然界のどこにでも存在する寄生細菌（バクテリア）で、植物細胞内にて植物ホルモンを生成せしめて腫瘍の形成を促すとともに、他の細菌には出来ないこと〔これ重要ポイントと思われることなのだが〕としてDNAを操作し細菌自らのエネルギー源を細菌自らが肥え太るために寄生した植物に作らせることが出来るわけだ。だから〈植物に対する遺伝的植民地化〉という比喩になるのか。
恐るべし！＞A.ツメファキエンス！

〈上記引用文中★印部分は、未来記事のstudy roomにて登場する重要な植物ホルモンのため楽趣味が太字強調したものです。〉

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バラだけでなく、身近な花木としてはサクラ、ウメ、モモ、ボケなどもツメファキエンスの餌食になるらしい。2009年のサクラの季節に「今年は桜にがん腫が多く見られた」なんて言う報道も耳にしたが、増えているのだろうか？

上記てんちょブログ1)によると、バラの根に物理的な傷が生じたり、水遣りの過多などで生じた根傷みや接木部分の傷みから細菌が侵入しやすく発病の要因となるとのこと。暑い夏場には水遣り加減一つでがん腫の発生に影響してくるとも。コガネムシ幼虫によって囓られた根も要注意。
楽庭の過去を振り返ってみると、夏場の水遣りが丁寧に出来ていなかったってのは大いにあるね！うーみゅ、そのことがいくつかのバラの根頭癌腫発病要因なのだとしたら、バラには本当に悪いことをしてきたと頭を垂れてしまわざるを得ない。
ごめんよー＞アブラハム、ダイアナ妃、ピエールガニエール、楽庭ミステリアスローズ3号〔本ブログ初公開かな?!〕

赤いバラが楽庭ミステリアスローズ3号。赤と白の複色で、花弁縁に切れ込みが入ります。香りは殆どないです（たまに微かに香るけど）。

一緒に写っている白いのは『グリーンアイス』です。

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ま、でも、根頭がん腫恐れるに足らず。日頃の観察とケアさえちゃんとすれば、発病率は抑えられるだろうし、罹ってもちゃんと処置すれば治る確率は高いと思いアフラますダー（＾＾）ｖ　がん腫を発見しても、決して慌てる必要はないっす。バラの栄養分を吸い取って太りまくってるタダのオデキと思うことにしてます。落ち着いて処置するだけ。OK？
あとは、キムをタクてんちょからの「なんとかしまちたよ～＾＾」って報告がいつかくるくるきっと来るのを信じて松たかこ♪

・根頭がん腫病についてはココをクリック
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