2009-07-05

花の首飾り


イギリスのバラブリーダー協会が世界の種苗業者へ向けて発信するページがある。

Roses UK is a joint marketing venture between BARB (British Association Of Rose Breeders) and the British Rose Group of the HTA (previously known as the British Rose Growers Association) aimed at maintaining and increasing the profile of the nation's favourite flower, the rose, through promotional activities.
...."Roses UK" http://www.rosesuk.com/


つらつらと眺めていたら、ドイツTantau社の桃色一重のバラに目が留まった。
   ROSE OF THE YEAR®〔click here!〕

2008年のローズオブジイヤーが'Sweet Haze' 『スイートヘイズ』。直訳すると甘い霞(かすみ)。一重の「ライラックピンク」の花弁にしべの色がきれいな印象的なバラである。一重や半八重好きで「しべ」好きにはなかなか魅力的。しかも、『バレリーナ』のように房咲きで花つきもよさそうである。説明文には(「マルハナバチ」が文字通り甘い匂いに引き寄せられやすいとか。その芳香発散性のため、ヨーロッパでは俄然注目を浴びているバラのようだ。



花弁数が多く深いカップ型のバラは一重や半八重のバラに比べて実が出来にくい。甘い香りを漂わせても、ハチが集まりやすいのはしべが露わになるバラの方だ。
マルハナバチはミツバチと並んでなじみのある訪花昆虫だが、暑いのが苦手で、高緯度に生息する北方系。日本にいる在来種16種のうち北海道に生息するのが11種ほどと大半を占める。
幼い頃、春の田園風景には必ずといって良いほど描かれていた赤紫色のレンゲソウの絨毯。このレンゲソウの花で首飾りを作って遊んだっけ。。。昨今では余りお目にかからない風景の一つ。牧草で緑肥としてもお役立ちのレンゲソウの密を好むのがマルハナバチ。


ミツバチ科は果実や野菜の受粉に欠かせない存在。日本のハウス栽培で受粉のために「セイヨウオオマルハナバチ」が利用されてきたが、最近在来種を駆逐するという理由で外来生物法で「特定外来生物」に指定された(関連記事はコチラ)。

導入時にはその活躍ぶりを賞賛しておきながら、規制の対象とされる。。。
アメリカではミツバチが激減して(その理由は特定の農薬に因果関係があるとも、ミツバチ特有の伝染病のようなものとも言われているが定かではない)食物生産農家に大打撃を与えているとか。確かに、花粉を体中にくっつけて「ぶぅ~ん」とあちこち飛び回るハチの姿を余り見かけなくなった。頭の隅をよぎるレイチェルカーソンの『沈黙の春』「第一章 明日のための寓話A Fable for Tomorrow」 一文。

 リンゴの木は、溢れるばかり花をつけたが、
耳をすましてもミツバチの羽音もせず、静まりかえっている。
花粉は運ばれず、リンゴはならないだろう。


 
「甘い霞」が欧米で注目されるのは、その容姿だけではないのだろう。


薔薇の名前1:『バレリーナ』Ballerina(HMsk)〔Bentall, 1937 〕小輪房咲四季咲バレリーナ(Cl桃)国産苗新苗6号鉢植品

薔薇の名前2:『ラヴィーニア』Lavinia(CL)〔M. Tantau, 1980〕四季咲
ラビィーニア(Cl桃色)国産苗新苗6号鉢植品

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