2010-11-17

ありのままで、背伸びしない、バラよ!

秋になって、太陽の位置が傾くと、
「日照条件良好!」とは決して言えない楽庭。
2方を隣家の近接した外壁に囲まれ、
建物の隙間から朝の日差を来い来いする楽庭。

そんな状況にも健気にバラたちは蕾を付け、花を咲かせようとします。



冷たい秋雨に打たれ、葉っぱには黒星病班が浮き出て、
葉の隅っこや蕾のお尻は虫に囓られたり、ハマキ虫の害にあったり。




楽庭では3年程前から石油化学合成系の薬剤を一切使用していません。
撒布するときの臭いが嫌で、
そうした化学物質の土壌残留性が気にかかるからです。
比較的簡単に虫や病気を抑え込むことが出来るのは分かっているつもりです。

でも、それらを一旦使用してしまうと、
楽庭のようにちっぽけな庭で、
土の面が少なく、コンクリート床が半分以上を占める庭であっても、
程度や規模の差こそあれ、
化学物質が環境に与える負荷は
根本的に簡単に分解したり消したりすることが出来にくいと思うからです。






以上、4枚の画像はすべてミニバラのスイートチャリオット。
開花の時期が異なって、花柄が残っていたり
葉っぱに病班を抱えていたり、
(1枚目に写っている大きめの葉はヒペリカムの葉っぱですが)
開ききれない蕾が混じっていたりのありのままの姿。

花を咲かせるというのは、植物にとって生の最終ステージ。
咲いてくれてありがとう♪
咲くまでに色々あったみたいだけど、
精一杯花を咲かすその姿は、誰が何と言おうと、
私には素晴らしく目映い程に美しく思えるよ。





楽趣味の庭で用いているのは、所謂「活性剤」で括られる類の物。
・ニームオイル
・ニーム核油粕
・月桃エキス
・アグリチンキ(キチンキトサン含有)
等々です。
これらのものに落ち着くのに2年かかりました。
ニームオイルは撒布し始めて約4年、ほぼ定期的に撒くようになって3年目。

時間があるときは、たっぷり撒布します。
時間がないときは、撒けません。
雨が降ると分かっているときは、撒くのを躊躇います。
かなりきまぐれで撒布しています。
それでも、撒かないよりは撒いた方がずっと良いと実感しています。
定期的な撒布がより高い効果をもたらすというのも実感していますが、
日々の生活に追われて、あるいは、突発的な出来事のため、撒けない日もあります。



そんな時にも、バラは置かれた状況を黙って受け入れてくれます。
「大丈夫!平気だよ。私たち生きているから心配しないで~」
そんな風に話しかけてくれているような錯覚に捉えられたりすることもあります。楽趣味の単なる思い込みに過ぎないのでしょうが。

「バラを育てる」と人は言いますが、
そんなバラの話しかけを錯覚する時、
「バラに育てられているのではないか」と思うことがあります。

バラという植物のすべてが好きです。
開き始めるときの幼い蕾の姿も
開花しきった誇らしげな堂々たる佇まいも
時と共に変化し退色していく色素の塊も
馨しく高らかに踊り宙に舞う至上の香りも
ハラハラと儚げに散りゆく一枚一枚の衣装花びらも
蘂だけを露わに残して虫が来るのを待ちかまえている姿勢も
鉤鼻のような棘も、
半透明の赤ちゃん棘も、
シミの出来た年配の棘も
朱い茎も、瑞々しい葉茎も枝も
ドレッシーな萼片もシンプルな萼片も
初々しくも保護者の顔をしている托葉も、
それに包まれた芽の赤ちゃんも
あまつさえ鉢を引っ繰り返した時、
日の光に目映く輝く白根も
枯死して茶褐色になってしまって縮んだような古根も
何もかも何もかも、何もかも。

どんな姿であろうと
如何なるステージにあろうと
バラがバラである限り、
ありのままそのままの美を愛でられる幸せ。
何物にも代え難い喜びの一つとして大切に
これからも大切にしていきたいと思います。

拙記事は、楽趣味が抱いているバラへの思いを
ある人に伝えたくて記しました。
そのため
Rosalind Infinita
Rosalind-美しき薔薇とともに
と併せて3つ同内容の掲載と致しました。

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